創業の精神
幕末の混乱期に創業者・平岡新治郎は西近江(滋賀県志賀町)に生まれた。
苗字もない貧しい小作農の家だった。
同じ集落には裕福な商家の家が何軒もあった。
「大きくなったらうまいものを腹いっぱい食べたいなあ、大きな家に住みたいなあ」
幼い新治郎少年がそう思うのは当然のことであった。
近江は京都に近く、京都の情報が入手しやすい。
近い将来、世の中が大きく動くことを感じ取った父・佐兵衛は、新治郎に読み書きそろばんを徹底的に学ばせ、14歳で京都に送り出した。
呉服商で15年間の丁稚奉公。何よりもお客様のことを考える店主だった。
商売の基礎を学んだ。
努力が報われのれん分けを許された。
生家に独立の報告に帰った際、集落が様変わりしていることに気づく。
新しい時代に対応できない商家が衰退していたのだった。
大きな商家が消えてしまうことに衝撃を受けたと同時に、時代が変化しても変わらないものを扱いたいと漠然と思いだしたのもこの頃だった。
当時、国内では新たな会社や学校がどんどん設立されていた。
答えの出ない日々を過ごしながらも、これからの時代を見据えまずは巾の広い洋反物を扱うことにした。
お得意先を探しに府内外を問わず1軒1軒訪問した。
「巾の広い生地を扱っているのなら、大きな旗を作れないか?」
お得意先からの一言が大きなヒントとなった。
辺りを見渡してみると、新たな会社や学校のすべてに名前があり、紋章があり、創立者の志があった。
盲点だった。日々の問いに答えが出た。
「時代が変化しても変わらないもの、それは「志」だ。
信念、目標、喜び、相手のためを思う気持ち…
人の志こそが、いつの時代も普遍のものである。
お客様の志を後押しできる、お客様の成功を応援できるような商売をしよう。」
「人の志を後押しできる商品として、旗を取り扱うことにする。
所属する組織の旗を見た人々が初心を思い出し、商売や勉学の励みとなるような旗を作りたい。
こうしてお客様や社会の発展・喜びに貢献していく」
明治20年、この志により日本で初めての旗の専門店が誕生した。
平岡旗製造株式会社は代々この創業の精神を大切にしてきた。
そして今後もこの精神を守り事業を進めていく。
経営理念
『喜びの旗づくり』
~人の志を支え、未来を共に創る~
私たち平岡旗製造株式会社は、常に人々の志を後押しすることを使命とします。
私たちが提供する旗は、単なる商品ではなく、お客様の志や歴史を象徴するものです。
旗の第一人者として、その製品・技術でお客様の志が成就するお手伝いを行います。
私たちは、以下の価値観を大切にします
- 志の尊重:
お客様の信念や理想や歴史を理解し、それを形にすることで、共に成長していきます。 - 誠実な商売:お客様の成功を第一に考え、誠実な姿勢で取り組みます。
- 社会貢献:私たちの製品が、地域や社会の発展に寄与することを目指します。
- 革新と挑戦:常に新しいアイデアを追求し、変化する時代に対応し続けます。