下絵作成現場より【新入社員の「はたづくり奮闘記】Vol.7

新入社員ナカモトによる「はじめの7歩目」でございます。

先日、いつも下絵作成を依頼している職人さんの作業場にて、
その作業風景を見学させていただきました。

今回、見学させていただいたのは、
優勝旗の下絵製作です。

優勝旗に使われる字体は隷書体が一般的であり、
こちらの加工場では、先々代から継承されているオリジナルの字体を使用しています。

今回はさらに、”優勝”のニ文字に、先方からのリクエストがあり、
先方からのサンプルを元に、字体の原型を拾い出し、
そこからアレンジを加えるということがおこなわれていました。

そして、その作業風景は、
下絵紙が設置されたガラステーブルの下から照明をあて、
オリジナルの字体を薄く下書きをして、
雲形定規(くもがたじょうぎ)と呼ばれる特殊な定規を使い、
サインペンで正書をしていくというものでした。

はじめて雲形定規というツールを見ましたが、
キレイな曲線を描くことに特化した定規だとうかがいました。

手慣れた定規サバキ、ペンサバキで、
魔法のようにスラスラと下絵が出来上がる光景に感動しました。

”プロの職人技”を目の前で見ることができました。

この下絵の文字は手書きなので”味”が感じられます。
最近はコンピューターでキレイに作成できてしまいますが、
やはり”血の通った”文字には勝てないな。と強く思いました。

また、その文字の位置を確定させる際に使われている”ものさし”を見ますと、
「はじめの1歩目」に書かせていただいたブログ「ものさしの歴史」で取り上げました
和裁で使用する”鯨尺(くじらじゃく)”のものさしを使われていることに気がつきました。

尺、寸表記の”鯨尺”を使用されている理由をうかがいますと、
その昔から優勝旗に配置される文字の場所は変わっておらず、
”鯨尺”ものさしが、その位置出しには適しているということでした。

”鯨尺”ものさしは、過去の”ものさし”と思っていましたが、
現在も、変わらず使用されていることに、
昔から引き継がれている伝統を感じました。

先輩に聞きますと、
下絵には”紙下絵”と”染め下絵”があり、
今回、見学させていただいたのは、”紙下絵”でした。

さらに、”染め下絵”で使用されるゲージ(型)も、見せていただきました。

ゲージは染められる文字の部分がくり抜かれており、その部分に染料が染められ、文字が表現されます。

そのゲージには、作業の際の染料が付着しているのですが、
文字によって、染料の付着の度合が異なっており、
よく使われる文字とそうではない文字が、
その付着度合から、一目瞭然であることにも、おもしろさを感じました。

このゲージにつきましては、
寸単位で字体の大きさがあり、
細かいリクエストに応えられる引き出しが用意されていることにも、驚きました。

優勝旗の元となる下絵においても、
これだけのこだわりを持って製作していますので、
完成した優勝旗が、必ず、”喜びの旗”になると確信する機会となりました。

ぜひ、優勝旗の製作については、
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